オランダビジネスカウンシルフランス（NLBC） は、パリ地方では幅広いビジネスに成長の機会があることを認識し、パリ地方における事業拡大を望んでいるオランダの起業家に対しガイダンスを提供することで、フランスとオランダのあいだの経済の架け橋となることを、自らの使命としています。NLBC の発起人委員会のメンバーである Willemijn Berenschot（WB）とそのビジネスディレクターである Anouk Zoet（AZ）にお話をうかがい、同団体のサービス、パリ地方のダイナミックなビジネス主導のエコシステムに対する見解、また、海外への進出を考えている起業家に向けたアドバイスなどを、おたずねしました。

オランダビジネスカウンシルフランス（NLBC）について、また、そこでのご自分の役割について、少しお話しいただけませんか？

WB: オランダ大使館の公式な連携団体である NLBC はオランダ人起業家向けにフランス経済界への水先案内人を務める団体です。私どもは、独立した団体で、事業内容の見地から、オランダ人起業家・経営幹部を支援するために設立された非営利団体です。NLBC のサービスには4本の柱があり、これは、起業家のニーズを調査した結果を踏まえて構成されています。活力あるオランダ人ビジネスコミュニティの形成、サービス提供、オランダ当局やフランス当局に対する支援、社会的影響を与える活動の4本柱です。
今年1月、NLBC の運営にあたる初の従業員として Anouk Zoet を採用し、ビジネスディレクターとしました。同氏は、フランス市場に関する知識が豊富で、何事にもしかるべきアプローチが取れる方ですので、加盟各社がフランスにおける事業拡大を推進し成功させるお手伝いができることでしょう。
私は発起人委員会のメンバーの一人であり、法律と公務の両方を担当しています。私は、発足当初から NLBC の一員で、仲間の理事会メンバーとともに、NLBC の戦略、コミュニティネットワーク、官民連携、サービスの形成発展に努めてきました。

オランダビジネスカウンシルフランスは、どのようにしてオランダとフランスのあいだに「架け橋を築く」のですか？

WB: 架け橋が機能を果たすには、橋の両側が枠組みを支える必要があります。というのも、私どもは、どのようにしたら協力しあえるか理解することに、焦点を合わせているのです。実際にロードマップとして活用できる成功事例や事業計画を集積しています。私どもの団体が発足したのは、フランスでビジネスを成功させることは、興味深い挑戦になるかもしれない、という動機からです。オランダの中小企業は、言葉の問題や法律の問題に直面しています。信頼できるアドバイザーやサービス提供者が求められていることも考慮しなければなりません。また、オランダ企業の幹部は、文化の違いに遭遇する可能性もあります。オランダ側の期待と、フランス側の現実のあいだで、バランスを取ることがむずかしい場合もあります。あらゆる人に開かれた存在である NLBC は、起業家が、高い技能を有するサービス提供者のネットワークに加わり、世論に影響を与え、オランダとフランスのよく似た点や、両国のあいだにおける前向きな経済協力に焦点を当てられるよう、支援を行っています。

私どもは、オランダとフランスのあいだでダイナミックなビジネス環境が整い、企業が成功を収め、人びとが繁栄を享受できる、そのようなシーンを思い描いています。

オランダビジネスカウンシルフランスに加盟しているオランダ企業について、もう少しお話しください。企業が加盟を希望するときというのは、どのような興味関心によるのものなのですか？オランダ企業はパリ地方のことを、どのように見ていますか、また、どうしてパリで事業を立ち上げることに興味を持つのでしょうか？

AZ: オランダの起業家や企業が、フランス市場、なかでも特にパリ地方にアプローチしようとするときは、とても情熱的です。私どもの加盟企業は、ネットワークを拡げ、フランス企業と連絡を取りたがっていることがよくあります。欧州随一の経済圏でありビジネスハブでもあるパリをおいて、つながりを探すべきところなど、他にあるでしょうか？パリ地方は、業界の垣根を超えたところに目覚ましい経済成長があることを知っているため、多くの機会を与えてくれます。

あなたのお考えでは、ビジネスに関して、パリ地方の最大の強みとは何でしょうか？

AZ: パリ地方は機会と多様性を提供してくれます。電車ですぐのところにありながら、フランスの首都の喧騒の只中にもあります。パリは活気に満ちた都市であり、スタートアップ企業、中小企業、フォーチュン500企業に、成長や事業拡大の機会を与えてくれます。パリ地方には、数々のビジネス街や産業分野があり、いずれも創造的なコラボレーションや連携を推し進めています。

オランダビジネスカウンシルフランスと Choose Paris Region の相乗効果について、簡単にお話しください。

WB: ふたつの団体の活動目的は一致しています。より多くのオランダ企業を引き込むことです。このふたつの団体の協力があれば、パリ地方で会社を設立したいと考えているオランダの起業家に、完璧で、かつ、より的を絞ったオーダーメイドの支援を提供することができるようになるでしょう！私どもも、お仕事をごいっしょできることを楽しみにしています。私どもが連絡先を知っているオランダ企業に対し、パリ地方に関するプロモーションを行い、フランスでビジネスを行うための幅広い機会について周知することができるでしょう。

成功を掴んだビジネスウーマンとして、これから海外に出て起業しようというキャリアを考えている未来のビジネスウーマンに対して、何かアドバイスはありますか？

WB: 自分の素養を把握すること。特に語学力です。というのも、コミュニケーションが常に重要だからです。それに加えて海外では、現地社会の、しばしば家父長的で非常に厳しい上下関係に注意する必要があります。ジェンダーバイアスは、考えられている以上に今なお健在です。だから、自分自身や、自分の価値観に忠実であろうと努めてください。自分の女性らしさを否定したり、男性のリーダーシップを真似したりしてはいけません。どのような組織においても、自分にしかない個性、特色、強みを活かした女性リーダーは不可欠です。

これまでのキャリアのなかで直面した最大の課題は何でしたか？また、それをどうやって乗り越えましたか？

WB: 自分のキャリアと家族生活のあいだでバランスを取り維持してゆくことです。その一方で、個人としての精神的な成長や、持続可能な生活へのアプローチも図る必要があります。この点では、私は自分のことを一本の樹木に例えるのが好きです。家族や友だち、助けてくれる仲間たちとの、これまでの関係のおかげで、深く根を張ることができれば、幹は枝（あらゆる活動）を支え伸ばすことができます。もっと先へ、広がり、楽しみ、将来に手を伸ばすことができるのです！

パリ地方を、3つの単語で短く言い表すとしたら、どのような言葉になりますか？

AZ: パリを説明するよりも、パリに住んでみな！ユニークで、機会があり、賑やかです！